HOPE社に望むこと。

〜お詫び〜
新艇のHOPE LF300Sですが、思いがけない事態により、
現在進水式の目途が立たない状況です。
予定では週末に琵琶湖にて進水式の予定でしたが、
場合によっては来年の4月までずれ込む可能性もあります。
この日を楽しみにしていただけに、本当に残念ですが、
どうしようもできないので、今はただ、祈るばかりです。
詳細については、落ち着いた頃にコラムに掲載しますが、
ボートは決して安い買い物ではないだけに、
購入にあたってはより慎重に選ばなくてはなりません・・・TT

これは釣行記に掲載した文章をそのまま引用したものです。
新艇に何があったのか・・・??事の真相を説明すると・・・
艤装も終わりにさしかかった頃、販売店から
「ボートにエンジンが乗らない可能性があるので、釣行前に一度確かめてほしい」
との連絡をいただきました。

私の場合、「5馬力とのセット購入だし、特に急いで注文をしたわけではないのでおそらく大丈夫」
とのことだったので、この時点では完全に他人事でした。
後日、念のため試してみると・・・あれ・・・????乗りませんがな!!
販売店に確認すると、「エンジンを乗せる幅を2馬力のものと間違えた」とのことです。
下がその画像ですが、実際の幅は約18センチですが、
搭載する5馬力のエンジンの幅は約20センチです。




「ボートは製造元に、修理のために送り返すことになるので、相当の期間がかかる」
とのことで、予定していた「週末の進水式どころか、再来週までも、全く間に合わない」との回答でした。
この日のために8月の猛暑の中、頑張って準備をしてきただけに、
これを聞いて本当に残念で愕然としました。

都合上、私の秋のボートシーズンは例年9月と10月の2ヶ月間だけの予定なので、これには焦りました・・・・
上のお詫びの文章は、この日の晩に焦りと絶望に打ちひしがれながら書いたのを今でもはっきり覚えています。

後日、再度連絡があり、
「送り返すとなると、往復の送料だけで赤字となるため、
5分くらいで簡単にできるので、グラインダー等で自分で削ってもらえないか?」
もしくは、
「兵庫県にある指定の工場に持参すれば、削りますが・・・」
との回答をいただきました。

シーズンも始まっているので時間もないことだし、迷った末に、
「簡単にできることだったらなんとか自分でやってみよう・・」ということになりました。
ただ、間違って削ってしまうと取り返しがつかないので、
慎重を期して販売店に行き、削る場所を再度確認し、
ホームセンターでグラインダーと専用の替刃を購入して、作業しました。

ところが・・・ここからが思いのほか大変でした。
何度もサイズを計測し、少し削ってはエンジンを載せる・・・
この作業を汗だくになりながら、何度も繰り返してできたのが下の画像です。



凸凹だったので、ヤスリで念入りに磨いたのですが・・・素人がすると、この程度が限界です。
よく見ると左右非対称になってしまいましたが、これもやむを得ないと思います。
削ったところは色が違うので、そこがどうしても目立ってしまいますねTT
ここから水がしみてきないかも心配です。

しかし・・・5分で簡単に・・・というわけには到底いきませんがな!!
それはこの作業に慣れた職人が、しかも使い慣れた道具を使ってする場合で、素人には半日仕事です。
そんなに軽く考えてもらっては困ります・・・

たぶんHOPE社からしたら、削る幅を間違えただけの、些細なミスだったと思います。
でも、この少しのミスが大きく信頼を損ねることにもなりかねないことを感じていただきたいものです。

確かに同情する点もあります。
プロの職人の世界では、常に完ぺきなものが求められます。
完璧な作品を提供して当たり前だし、
時として顧客の要求はこちらの想像をはるかに超えるほど高いこともあります。


99パーセントが完璧であっても、残りの1パーセントにミスがあると、
評価のすべてを失う、非常に厳しい世界です。

私も職人のはしくれとして、これはいつも自分に戒めていることで、
今回も半分は自分に対して書かせていただいています。

新艇のHOPE社のボートは、全体的に高いレベルの、満足できるボートだと思います。
(細部に不満を言えばきりがないものの、それはどんなボートにでも言えることです。)
そう思うからこそ、このホームページでも、お勧めできるボートとして紹介させていただいています。

満足できるボートだからこそ、求める水準が高いのかもしれませんが、
それでも今回の件は、その対応も含めて非常に残念です。

販売店側の素早い対応により、私の場合はこの程度のことで済んだのですが、
遠征先の日本海での進水式のときに初めて気付かれた方のことを考えると、
本当に気の毒でなりません!!!
本来ならば、先にボートを購入した、私がこうなるところでした・・・


今回の件では、少なくとも私以外にも複数の方が、このうような大変な思いをされています。
FRPボートだけに、これからも長い付き合いになるかと思うのですが、
アフターサービス等に一抹の不安を感じたのは、決して私だけではないはずです。

どうかHOPE社におかれましては、この事態を真摯に受け止めて、
再発防止に取り組んでいただきたいものです。

剥製工房★GALAXY